北京化工大学在学中に名古屋工業大学に留学、卒業後に東大大学院に入学し、バイオインフォマティクスに関する研究を進めた李志鑫(Li Zhixin)さん。学生時代に学んだことや日本での就職活動、現在の仕事内容などについて語ってもらいました。
フラットで自由な社風のLINEに就職
──大学時代はどのような学生でしたか
中国で北京化工大学に入学し、情報工学を勉強していたほか、高性能計算に関する研究を行っていました。また日本に関するサークルに参加し、日本語を勉強しました。子どもの頃から日本のドラマなどを見ていて興味があったためで、ここで日本語を勉強したことは大きなプラスになりました。
3年生のときに、交換留学生として名古屋工業大学に1年間留学しています。ここで改めて日本はいい国だなと感じ、もっとこの国で勉強したいと思うようになりました。それで北京化工大学を卒業した後に来日し、東大で研究生を経て大学院生になりました。
東大では、バイオインフォマティクスに関する研究を行いました。具体的には、機械学習を用いたタンパク質の分析や結合部位予測です。ここでプログラミングや技術の基礎について学んだことは、現在の仕事でも活きています。
──就職活動はどのように行いましたか
人々が日常的に利用しているサービスを提供している会社で、開発者として働きたいと考えていました。それでいくつかのIT企業にエントリーし、最終的にLINEに就職することを決めました。
LINEを選んだ理由は、日本で多くの人に使われていて、大きな影響力を持つサービスを提供している会社だったことです。自分もそうしたサービスの開発に携わりたいと思いました。
またLINEについてインターネットでいろいろ調べたところ、自由な雰囲気があり、いわゆる日本の企業と大きく社風が異なることが分かりました。個人的に年功序列や上司と部下の厳しい関係がある雰囲気は苦手だなと思っていたので、フラットで自由な社風のLINEはすごく魅力的でした。
多くの外国籍の人が働いていて、マルチカルチャーの文化があることも、LINEで働きたいと考えた理由の一つです。外国籍の人が働く上でのサポートも充実していますし、不必要に特別扱いされることもないです。それぞれの国や働く人のマルチカルチャーを尊重することが組織に当たり前に根付いています。
LINEは海外から来た人も働きやすい環境
──現在の業務内容について教えてください
私が主に担当しているのは、LINEアプリの左端にあるさまざまなサービスや友だちへの導線となる「ホームタブ」のサーバー開発です。ホームタブには、オープンチャットなどのサービスを表示する領域と、LINEスタンプや着せかえ、LINEマンガなどのおすすめコンテンツを表示するレコメンド領域があります。これらの表示にかかわる機能開発や操作、サポートなどを担当しています。例えば、内部システムから情報を受け取り、表示するための処理を行った上でクライアントアプリに送信するといった処理などですね。
担当している仕事の詳細は、LINEの技術カンファレンスで「LINE Home Tabに情報を配信するための汎用性の高いシステム」と題してお話ししています。また、ホームタブ以外にもLINEアプリのスタンプショップの開発などにも携わっています。
──実際にLINEで働き始めて、苦労したことやよかったことはありますか
最初に苦労したのは、LINE内部で使われている独自のツールなどについて理解することでした。それらのツールに関しての情報が書かれたドキュメントを読んで勉強し、徐々に使えるようになりましたが、これは本当に大変でしたね(笑)。
一方で助かったのは、多くのドキュメントが英語で書かれていること。LINEにはドキュメントをできるだけ英語にしましょうという風潮があります。ツールに関するドキュメントの多くも英語で書かれているので、日本語の文章を読み解くことに時間がかかるといったことはありませんでした。
また私が所属しているチームはたまたまですが全員が外国籍で、普段は英語でコミュニケーションしています。他のチームのメンバーと日本語で会話することもありますが、その際もこちらの意図をくみ取ろうと配慮してくれます。私のように海外から留学し、日本で就職する人にとっても、馴染みやすい職場だと思います。
──仕事の進め方はどうですか
無理なスケジュールで強引にプロジェクトを進めるといったことがなく、余裕を持って働けるのはいいところだと思います。
現在は在宅勤務で働いていますが、コミュニケーションで困るようなこともありません。プライベートで会うことがないので、チーム内で交流する機会は少なくなっていますが、時間がたてばこの問題も解決するのではないでしょうか。Slackで雑談的な会話をしたり、気軽に相談したりすることにも少しずつ慣れてきました。
仮にオフィスに通うことになっても、出社時間はそれほど早くないため、通勤電車のストレスに悩まされることはないのもうれしいところですね。
福利厚生がしっかりしていることも、LINEに入社してよかったと思うところの一つです。現在は在宅勤務なのであまり使えていませんが、オフィス環境も素晴らしく、落ち着いて仕事に取り組めるように配慮されているので、働くことでストレスを感じることが少ないように思います。
技術をさらに学んでより大きなプロジェクトに携わりたい
──仕事の中で苦手だと感じることはありますか
自分のプロジェクトであれば会議でも積極的に発言できるのですが、自分が直接的に関係していないプロジェクトの会議で意見を述べるのはちょっと苦手です。ただ今後ステップアップしていくためには、どのような場であっても自分の意見を持って伝えていくことは重要だと思うので、そこはこれから頑張っていきたいところです。
技術についての勉強もまだまだ頑張る必要があると感じています。これまでに業務などを通じて学んできたJavaやKotlinやVue.js、 Mongo DBやLINEが開発したフレームワークであるArmeriaなど、いろいろな技術への理解をさらに深めたいと思います。LINEには、お手本になるコードやドキュメントは社内にたくさんありますし、多様な経験とスキルを持つエンジニアがたくさんいるので、学ぶ意欲さえあれば多くのことを得られる環境だと思います。技術をさらに学んで、より大きなプロジェクトに携わって、どんどん経験と技術を蓄積していきたいですね。
──今、学生として進路を検討している方々にアドバイスはありますか
私と同じように外国籍で日本で働く方に向けて話すと、就職活動の進め方は海外と日本では異なることをちゃんと把握して情報収集をしっかりやることをおすすめします。大学が実施する就職活動をサポートするためのイベントなどには積極的に参加したほうがよいと思います。先輩から話を聞く機会を持つようにすると、とても参考になるはずです。
その準備の中で、自分をどのようにアピールするかも考えておけるといいですね。私自身、最初は思うように自分のアピールポイントを伝えられなくて苦労しました。これまでに学んだことや成果をまとめ、いつでも話せるようにしておくとよいと思います。
最後になりますが、就職先の候補としてLINEを見てもらえると嬉しいですね。新卒で入社して、ここまで順調に働くことができていますし、将来に向けて希望も持てている、推薦できる環境だと思います。マルチカルチャーがあることに加え、中途採用で入社してくる人もたくさんいて、幅広い人々を受け入れる土壌があります。ソフトウェアエンジニアリングが好きな方、フラットでオープンな環境を好む方など、ぜひLINEで働くことを検討してみてください。
LINE株式会社 新卒採用サイト(技術職):
https://linecorp.com/ja/career/newgrads/engineering/
The post 【寄稿】マルチカルチャーの中で学び働く LINEサーバーサイドエンジニア・李志鑫(Li Zhixin)さんインタビュー first appeared on 東大新聞オンライン.