硬式野球部(東京六大学野球)は5月4日、慶大との2回戦を戦い、6─1で敗れた。4番・大原海輝(文・4年)の適時打で一時同点とするも、終盤には相手打線の猛攻を抑えられず。追いつきたい東大だったが打線は散発5安打に終わり、相手の隙のない守備に阻まれ逆転は叶わなかった。(取材:五十嵐崇人、高倉仁美、木下太陽)
慶大|100000500|6
東大|000100000|1
開戦直後、いきなり慶大打線がその力強さを発揮した。先攻は慶大、相手1番、2番と安打を放たれ盗塁を許し、初回から1死一、三塁のピンチ。リーグ戦出場3試合目の先発右腕・増田滉生(育・4年)の顔にも焦りが滲(にじ)む。それでも粘り強く守備を固めて無失点に抑えようと画策するも、努力虚(むな)しく相手4番の内野ゴロを処理する間に走者が生還、初回で1点を失う。序盤から1点を追うことになったが、2回表からは心機一転、三者凡退で抑えるなど4回まで無失点。

この好投に応えるべく、打者陣も我先にと出塁を目指す。4回裏、3番・中山太陽(経・4年)が四球で出塁すると盗塁を決め二塁へ進む。このチャンスで続くのは頼れる4番・大原。初球のボール球を見送り2球目、バットを振り切り打球はセンターへ一直線。この適時打で中山がホームベースを踏み、1点を返すことに成功。さらなる追加点で慶大を突き放したいところだが、そう簡単に勝ち越しを許す相手ではなかった。昨春のリーグ戦では防御率2点台の相手エース・外丸東眞の好投を前に以降の打線はつながらず、追加点をもぎ取ることはできなかった。

6回まで1─1の均衡は揺らがなかったが、天秤(てんびん)が傾いたのは7回表。増田の後を受けて5回表から2イニング連続で三者凡退に抑えていた松本慎之介(理Ⅱ・2年)だったが、相手7番にバックスクリーンへの豪快なソロホームランを浴びる。これで勢いづいた慶大打線はとどまるところを知らず、その後止まらない適時打の嵐で3点を追加。東大は投手を交代、高橋直人(文Ⅰ・2年)がマウンドに登るが、猛攻を抑えきれずさらにもう1失点。なんとか三つ目のアウトをとるも、相手打線は1巡し、この回だけで一挙に5点の手痛い失点を被った。
5点という大きな差はそう簡単に埋まらなかった。8回表からは江口直希(工・3年)が登板し無失点に抑え、これ以上差が広がることはなかったが、球場の真上に照る太陽は着々と選手たちの体力を奪っていく。1番・酒井捷(経・4年)がこの日2度目の盗塁で観客を魅了するが、上位打線のバットは空を切る。迎えた最終回、先頭・中山が出塁するも、続く大原が併殺で仕留められ、最後は中飛打でゲームセット。陽に照らされ白く輝く打球は、反撃の兆(きざ)しの希望を乗せ高く飛んだが、無情にも相手センターのグローブへと吸い込まれていった。
2年前は秋季フレッシュトーナメントでスクリーンに名を連ねていた選手たちが、今は本戦で強豪相手に健闘している。今回は惜しくも敗北を喫したが、頼もしく成長した選手たちの活躍に、これからも期待したい。
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