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新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

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 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は新入生の出身地や東大を志望した理由などについて傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・一柳里樹)

 

出身地・出身高校

 

 

 出身高校の区分は、中高一貫の私立が52%、中高一貫でない公立校が29%で昨年とほぼ横ばい。共学校出身者が51%、男子校出身者が39%との結果も昨年と変わりないが、女子校出身者は7%と昨年の8%から微減した。

 

 出身高校の所在地は、東京都の1009人(35%)が最多。以下神奈川県(297人、10%)、兵庫県(146人、5%)と続く。4位の愛知県(141人、5%)、5位の千葉県(135人、5%)までの順位は昨年と同様。関東地方の高校出身者の割合は昨年を1ポイント下回る57%で、近畿地方の高校出身者も昨年を1ポイント下回る12%だった。

 

男女比

 科類別に女子学生比率を見ると、最高は文Ⅲの37%、最低は理Ⅰの10%。残りの科類は女子学生比率が高い方から理Ⅱ(23%)、文Ⅰ(22%)、理Ⅲ(19%)、文Ⅱ(15%)の順で、科類によって男女比に大きなばらつきが見られる。文科全体の女子学生比率は26%、理科は14%と、文理で10ポイント以上の差がついた。

 

 出身地別では、関東地方の高校を出た新入生の女子学生比率は20%、関東地方以外では17%と約3ポイントの差が見られた。アンケート回答者には、福島、山梨、滋賀、鳥取、佐賀の5県の高校出身の女子学生が1人もいなかった。

 

東大入学について

 

 

 東大入学を意識した時期は高校2年が27%で最多。高校1年が26%で続く。高校2年が高校1年を上回ったのは3年ぶり。東大への入学理由は「研究・教育の水準が高いから」が60%と最多で「入学後の進路選択の幅が広いから」(39%)、「将来の進路選択に有利だから」(35%)が続く。

 

 

 実力以外で東大合格に必要なものを聞くと「周りの環境」が52%を占め、46%の「運」、40%の「保護者の経済力」も多い。「実力以外に必要なものはない」は4%にとどまり、「運」と回答した新入生の割合は昨年から3ポイント上昇している。

 

 高大接続研究開発センターが昨年開設した受験生向けサイト「キミの東大」について聞くと、「知らない」が85%を占め、「受験の際利用した」はわずか3%にとどまった。今後の知名度向上が課題となる。

 

入試制度

 

 

 大阪大学・京都大学などでの出題ミスを受け、今年度から出題意図や答えが一義的に決まる問題の解答の公表を開始したことについて尋ねると「適切だ」が59%で、「適切でない」は11%。2020年度入試で東大が英語民間試験の成績提出を必須の出願要件としなかったことにも「適切だ」が64%を占め、「適切でない」は8%にとどまった。入試に対する東大の施策は、概ね新入生に支持されているといえそうだ。


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