新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、多くの大学生にとって、他の学生などとの交流の機会が失われたといわれる。しかし逆に、そのようなタイミングだからこそ生まれた交流もあったのだろう。記者が取材時に考えさせられたのはそんなことだった。
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国際交流団体GERNEが設立されたのは2020年6月のこと。TLPドイツ語クラスの学生3人が、コロナ禍で国際交流が途絶える中でもオンラインでの気軽な交流ができないかと考えたのが始まりだった。イベントは当初日本の学生とドイツの学生の交流が中心だったが、3回目の開催からは、ドイツ以外にも世界中のさまざまな地域から学生が参加している。
イベントの企画・運営に際して重視しているのは「気軽に参加できるようにすること」。「国際交流」という響きには敷居の高さがあるが、テーマを「大学生活」「将来の夢」などの話しやすいものに設定することでハードルを下げる工夫をしている。オンラインで行うことで、現地を訪れることなく参加することができる点も他のイベントにはない特徴だ。プログラムの中では、4〜5人ずつのブレイクアウトルームに分かれて30〜45分程度、テーマに沿って比較的自由に会話を楽しむことができる。さらに、参加者同士の交流がイベント終了後も続くように、後から自己紹介を共有し、参加者が他の学生に自由に連絡を取ることができるようにもしているという。

「あまり海外経験がなく、国際交流に憧れはあるけどハードルを感じるような状態だった」という運営の宇井淳一郎さん(薬・4年)は「海外からの参加者の方が多いので、僕と同じような人でも、ある程度英語を話せるならぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。今年は昨年までと同様の形式のイベントを6月と12月に開催する予定がある他、新しい取り組みへの意欲も。9月に、タイやミャンマーの難民キャンプの学生と日本の学生とでオンラインで交流するイベントを行うという。安田紳太郎さん(経・3年)は「世界には解決すべき課題はたくさんあって、そのために重要なのはまず関心を持つことだと思います。文章や映像だけでなく、その課題に直面している人と実際に交流することでより関心を持てるようになるのではないかと思っています」と意義を語ってくれた。(鈴木茉衣)
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