東大は9月6日、新領域創成科学研究科環境システム学専攻修士課程の入学試験で出題ミスがあったことを発表した。合否に影響がないように措置を行ったという。
出題ミスがあったのは、8月23日に実施された筆記試験「専門科目B」の選択問題。問題文中の解答に用いる式の符号が誤っており、想定されていたものとは異なる解が導かれるようになっていた。
8月25日の採点中にミスが発覚。当該問題を選択した受験者全員を正答として採点した。同時に、この措置で受験者の合否が変わらないことを確認。大学側は9月6日の合格発表日に、受験者全員に対して出題ミスとその措置をメールで説明した。
東大はミスの原因として、誤った式でも想定されているものとは異なる解は導出可能なことに加え、問題をチェックする過程で、解答に必要な情報の有無のチェックを重視する一方、模範解答との厳密な照合が十分にされていなかったことを挙げた。
東大は再発防止案として、教科書などの出典元を参照した問題文中の式の確認や模範解答との厳密な照合など、問題のチェック体制や手順の見直しを行うとした。
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東大は9月26日、教育学研究科総合教育科学専攻身体教育学コース修士課程の入学試験で出題ミスがあったことを発表した。合否に影響が出ないように措置を行ったという。
出題ミスがあったのは、9月13日に行われた筆記試験の専門科目。問題の説明文中に2カ所数値の誤りがあった。誤った数値で計算すると問題文中の数値と矛盾が生じる他、理由説明を求める問題で出題意図に沿った解答が得られなくなっていた。
9月14日の採点時にミスが発覚。全受験者について当該問題を正答扱いとした。この措置による順位の変動はなく、東大は不利益を被る受験者はいないと判断した。
東大はミスの原因として、今回のような専門性の高い問題の場合、専門分野が離れている教員が行う確認は文脈や誤字脱字のチェックに限られるため、数値の設定の誤りをチェックできなかったことを挙げた。
東大は再発防止のため、専門性の高い分野では、専門分野が近い教員にコースでの作問段階で出題意図や正解の説明をした上でチェックを受ける他、試験当日までにコースの主任または作問者以外の教員が試答することを必須にするとした。
東大の院試では、昨年度も工学系・医学系の2研究科で出題ミスがあった。
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