東大は8月22日、東大の4研究室による医学系の論文11本に不正があるとする匿名の告発状を受理した。9月1日にも2研究室による医学系・生命科学系の論文11本の不正を指摘する新たな告発状を受理。東大は受理当日からそれぞれ予備調査を開始している。
開始から原則30日以内に予備調査の結果を出し、不正の疑いが認められた場合は本調査を実施する方針。朝日新聞など一部報道機関は、8月22日に受理した告発状で教授が名指しされていたと報じているが、本部広報課は東京大学新聞社の取材に対し「名前や所属は教えられない」と回答した。
過去にも不正疑惑が
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東大では、今回疑われている医学系の分野で何度か不正疑惑が発生している(図)。例えば12年、森口尚史元特任研究員(医学部附属病院)がiPS細胞を用いた研究成果を捏造 したとして、東大は森口氏を懲戒解雇した。14年には岩坪威教授(医学系研究科)が主任研究員を務めた大規模臨床研究「J-ADNI(ジェイ・アドニ)」で不適切な情報修正が指摘された。
東大は14年に「研究倫理アクションプラン」を策定、研究倫理推進室など意識向上を図る学内組織を設置し、不正の再発防止に努めてきた。同年には医学部の学生有志5人が公開質問状を提出するなど、学生からも東大の研究姿勢に対する疑義が出ている。
この記事は、2016年9月13日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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研究室散歩:@パイプライン研究 粟飯原周二教授(工学系研究科)
キャンパスガール:小林悠佳さん(理学系・修士1年)
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「医学系論文に不正」 東大が匿名の告発状2通を受理し予備調査を開始は東大新聞オンラインで公開された投稿です。